つぶやき(長め

毎回、身体を酷使してはケアして、

稽古場で、舞台上で、隣に立つ誰かの背中を見て、どうしようもない実力の差に悔しさを覚えたり

それでも次の現場へ行き、また同じことを繰り返す

もちろん楽な道ではない。

オーディションを受けて、落ちて、スキルを磨いて、まだ足りないと突きつけられて、この先に「終わり」はあるのだろうかと、時々わからなくなる。

それでも、続けている

やめようと思えば、きっとやめられる日もあった。

愚痴を言って、距離を取って、

「向いてなかった」と言い訳することもできたはず

それなのに、ここにいる

理由は、案外単純なのかもしれない

役を生きている瞬間確かに“生きている”と感じるから

舞台上で、誰かの人生を借りて息をする時自分の感情なのか、役の感情なのか境目が曖昧になる瞬間がある。

あの瞬間に生まれる感情は、二度と同じ形では戻ってこない。

そしてそれを受け取って、喜んでくれる人たちがいる。きっと

「よかったよ」

「また観たい」

その一言一言が途方もない世界で、なんとか前に進むための灯りになっている。

きっとこれは、合理的な生き方ではない。

安定も保証もないし報われると約束された道でもない。

でもさ、今しか生まれない感情があること

それを大切にして生きたいと思ってしまう自分がいる。刹那主義ではないはず、むしろ合理的思考を持っていると思っていたけど、どうなんだろう自分がわからなくもなる

でも

最近、ひとつ気づいたことがある。

自分がいちばん良い芝居に近づくのは、

追い込まれて葛藤している時だけじゃない。

ふっと肩の力が抜けて呼吸が深くなった時にも役は不意に立ち上がってくる。

必死に掴みにいく時もあれば、

手放した瞬間にこちらに来てくれる時もある。

そのどちらも、嘘じゃない。

どちらの自分も、舞台に必要なのだと思うようになった。

役を生きることでしか得られない幸福があるのならそれを知ってしまった以上、

この道を歩くしかないのだと思う。

悔しさも、迷いも、身体の痛みも引き連れて、

それでも今日も会場へ稽古場へレッスンへ向かう。

たぶん、きっと、これからも。

要約すると

わたしには天職なのかもしれない

応援いつも本当にありがとう